心理学は強力な武器
心理学は多くの人が関心のあるテーマだと思います。
実感としては、「心理学をマスターすると人を思いのままにコントロールすることはできないけど、得することは多い」と思います。
心理学は、人間の性質に基づいたものであり、人間であれば誰でも一定の法則に従ってしまい、またそれを自覚していないことが多々あります。心理学を理解して、効果的に活かすことで起業家にとって強力な武器となるでしょう。しかしながら、心理学についてまとまっている情報はなかなかありません。
教科書としては、「影響力の武器」が定番です。是非何度も読み返して頂ければと思いますが、なかなか分厚く、とっつきにくい気もします。「キャバクラ心理学」という読みやすい書籍から入るのも良いと思いますが、
ここでは、
比較的良く活用する技術を
できるかぎり分かりやすく
すぐに実践できるように
紹介したいと思います。
社内恋愛はなぜ多いのか?『ザイアンス』
心理学を理解すると社内恋愛が多い理由が感覚的にではなく、明確に理解できます。
「人は接触頻度が多いほど好きになる」ということを覚えておきましょう。
このことは実験により証明されています。
『単純接触の法則』、『ザイアンスの法則』と呼びます。
社内恋愛は、同じ社内で接触頻度が多いので明らかに発生しやすいのです。
一緒にいる時間が長く、頻度が多いと、その人を好きになってしまうのが人間という生き物なのです。
逆に、遠距離恋愛が上手くいかない理由もこの『ザイアンスの法則』により説明できます。
接触頻度が下がることにより、好きでなくなったと考えることができます。接触頻度は好意に大きな影響を与えるのです。
これは恋愛でもビジネスでも一緒で、相手に好かれようと思ったら、『接触頻度を上げる』ということが単純ながら大きな効果をあげます。
起業家として営業活動はもちろん、資金調達などについても、相手に好意を持ってもらう技術を持つことは大変重要です。好意を持ってもらうための基本としてマスターしましょう。
ヤクルトレディに好意を持ってしまう心理
引用:http://www.yakult.co.jp/yakultlady/charm/
毎日ヤクルトを売りにオフィスや街角にやってくるヤクルトレディ。ヤクルトレディさんからヤクルトを買ったことがある人も少なくないはずです。
今やその仕組みはすでに世界33カ国に広がりヤクルトレディさんは4万人もいるそうです。
このヤクルトレディの仕組みこそまさに単純接触の回数を増やして顧客と関係を強化している事例と言えるでしょう。
最初は話をしなかったけど、少しずつヤクルトレディさんと話をするようになり、そして3ヶ月後にはすっかりヤクルトレディさんと仲良くなり、ヤクルトが大好物なわけではないのに毎日飲んでしまう。
通い続けることで接触頻度を上げ、次第に好意を持ってもらう。世界で通じている戦略です。
こまめにメンテナンスにやってくるゼロックスのコピー機整備や、毎日のように送られてくるアマゾンのメールマガジンなど「ザイアンスの法則」を上手く使ってビジネスしていると思われます。
ウザい接触にならないために
とは言え、単純接触を増やすとウザがられることにもなりかねません。
たまに、空気を読めずに単純接触を繰り返しているウザい営業マンもたくさんいます。
大事なことは、単純接触は「少しでも好意を持っている場合に有効」な気がします。
好意が全く持たれていない場合、また逆に嫌われている場合は、単純接触を増やしても逆効果になるでしょう。
そこをしっかりと見極める必要があります。
起業家たるもの、顧客と取引先、そして部下との関係性が強くできなければ苦労をするでしょう。
関係強化、好意を持ってもらうために、作戦を色々と考えることも大事ですが、まず会う。何度も通う。ことが今の時代も大事なのです。
『ザイアンスの法則』実践
営業活動をする場合の具体的な『ザイアンスの法則』を活用したアクションを紹介します。
・面談前のアポ確認メール(電話)
・面談後のお礼メール
・面談メモの送付
・ご契約のお礼メール
・新店オープンのお祝い電報・お花
・災害時(地震・台風など)の連絡
・新聞掲載、テレビ放映時のリアクション
などなど。
こうやってみると、単なる「接触頻度を増やしましょう」ということに加えて、「相手のことを考えること、気にすること」が大事なのでしょう。
相手のことを深く考え、気にすればするほど、具体的な接触するアクションは増えてくると思います。
自らのケースを想定して、アクションを考えてみましょう。