水平思考という言葉を聞いたことがありますか。
水平思考という言葉、馴染みがない人も多いのではないでしょうか。ポジティブ思考とか使いますが、実は問題解決の思考スタイルの一つです。
水平思考を紹介する前に、まずは下記の設問について考えてみてください。
設問
『リンゴが5個入ったカゴがテーブルに置かれています。
部屋には5人いて、一人1個づつリンゴをとりました。
しかし、カゴには1つのリンゴがありました。
さて、どうしてでしょう?』
なぞなぞみたいに思うかもしれませんが、水平思考によって答えを見つけることができます。
1分間考えてみましょう。
設問の答えは、本記事の最後に記載しております。
次に進む前に先に答え合わせをしてみてください。
水平思考とは不可能を可能にする思考技術である!
大げさにタイトルを書きましたが、本気でそう思っています。
先ほどの設問も常識的に考えれば、「そんなことはあり得ない」と思うでしょう。
しかし、答えを聞いてみると、実際にあり得ることであり、手品でも何でもありません。
実際には「気づくか」「気づかないか」の違いです。
水平思考と対局に位置する考え方に垂直思考があります。
垂直思考とは、AだからB、BだからC、CだからDと物事を積み上げて考えていく思考です。水平思考とは、AだからDとダイレクトに、あたかも答えにテレポートしているかのように思考する技術です。
だから、設問のような場合、垂直思考に慣れている人であればあるほど、答えにたどり着かないことがあります。
起業家にとって水平思考が大事な理由
ではなぜ起業家にとって水平思考が大事なのでしょうか。
リソースが足りないことが多いのが起業家であり、また夢・理想と現実のギャップが大きいのも起業家だと思います。例えば、「起業して5年で上場する!」と一瞬考えても、「でも現状は、お金も無いし人もいないし。。。」と諦めてしまう人がほとんどでは無いでしょうか。垂直思考だけだとそうなります。
実際に5年で上場する起業家、大きなギャップがあっても目標を達成する起業家は、こう考えると思います。
「まあ、5年後に上場できたとすると、何をしてするかな。」と。そして色々な発想をして、実際にトライするでしょう。「AからDへ」の水平思考の発想です。
ポジティブ思考と同じように思われがちですが、私は明確に異なると思っています。ポジティブ思考は、「前向きに考える」「良い方に捉える」という意味ですが、水平思考は「目標達成ができている前提で問題解決策を考える」という思考技術です。
「きっとできるはず」ではなく、「できる答えがあるのは当たり前、その答えってなんだろう」という思考技術です。
”思い込み”が邪魔をする
水平思考にはトレーニングが必要です。
水平思考に慣れていないと、先ほどの設問について、「何それ、計算合わないでしょ」「そんなナゾナゾずるい」とついつい思ってしまいます。自分の思い込みが全て正しいと思っているからです。
先ほどのような設問にたくさん触れていると、自分の思い込みを無くさないと答えが出ないことがだんだん分かってきます。
実際の事業においても”思い込み”は至るところにあります。
「日本は人口が減って商売がしにくい」とか、「競争が激しく価格を下げざる得ない」とか。リンゴの設問のように、「そんなの無理」という思い込みに近いものがあるので無いでしょうか。
「もし、日本で事業が急拡大できたとしたら、誰を相手に何を売った?」とか、
「価格を2倍にあげても、飛ぶように売れました。何をした?」という設問を設定し、水平思考で考えてみると答えが見つかるかもしれません。
ロジカルシンキングとか、戦略立案の手順とか、多くのノウハウが書籍やネットで紹介されていますが、もう一方で、水平思考をマスターしてみると一層、事業が面白くなると思います。
水平思考の参考図書
設問の答え
最後の一人がカゴのままリンゴをとったから