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「選択と集中」を勘違いして解釈すると痛い目にあうかも。(その1)

「選択と集中」

選択と集中と言えば、あのゼネナルエレクトロニック(GE)社のジャック・ウェルチさんが提唱した戦略と言うことで有名。

要は、コアとなる事業を”選択”し、そうで無い事業は切り捨てる。そして”選択”した”コア”の事業に集中して行こう!という戦略です。

1980年代ににジャック・ウェルチさんは、この戦略で会社を躍進させたそうです。

今や日本の中小企業の会議の中でも使われる位、良く耳にするフレーズとなりました。

理屈としては、下記が一般的です。

①右肩上がりの時代は多少手を広げても良かった。

②右肩下がりの時代は、シェアを取らないと利益が上がらない。

③だから、得意な事業を”選択”してシェアをとろうよ。

④そして、得意でない部分は捨てよう。

⑤そうしたら、利益があがるよ。

という感じでしょうか。

確かに、選択し、集中すれば人・モノ・金・情報という経営資源を集中して投下することができます。

例えば、人気のあるオムライス屋さんがたくさんお金ができたとすると、3店舗オムライス屋さんを新規出店しようと考えるのと、ヨガ教室をやろうと考えるのと、どちらが良いのでしょうか。

まあ上手く行っているオムライス屋さんをやったほうが良さそうな気がします。

多くの書籍や偉い人は、オムライス屋さんに集中すべきだと言うかもしれません。以前のコンサルタントとしての私もオムライス屋さんに集中すべきというでしょう。

しかし、本当にそうなのでしょうか。

Outdoor sunrise yoga girl

 

 

「選択と集中」が成り立つ条件

 

「選択と集中」が上策であるには、いくつ条件があると感じています。

その条件とは、下記の通りです。

①今の主な事業はインフラ型事業である

②儲からない事業を既にたくさん行っている

③コアコンピタンス(得意技)が輝いている

④圧倒的なシェアを持っている

 

①今の主な事業はインフラ型事業である

インフラ型事業とは、工場や機械などお金のかかる事業のこと。ギャックウェルチが率いたGEはメーカーなので工場が必要ですし、先ほどの事例のオムライス屋さんも店舗を出店するのにお金がかかるのでインフラ型事業と言えます。

インフラ型事業の場合、拡大するほどにお金がかかることが多いので集中しないと本業が遅れをとってしまうことになります。

②儲からない事業を既にたくさん行っている

この場合、あきらかに集中した方がいい。というか、「選択と集中」以前に儲からない事業はやめたほうが良いでしょう。

③コアコンピタンス(得意技)が輝いている

得意技が輝いているとは、競争優位性がある得意技を持っているということ。例えば、「プラチナの研磨に関しては世界でも3本の指に入る」とか、「インプラント技術は県で1番。」とか。

得意技が明らかに競争優位性があれば、そこに集中するのは良い戦略でしょう。

④圧倒的なシェアを持っている

ランチェスターで言うところの強者の戦略。市場シェアを持っていれば、そこに集中して徹底的に弱者を叩くのが勝ちやすい。弱者から見ると、強者が本業でガッチリこられたら体力的にも負けてしいまいます。

①から④の条件が揃っていると、「選択と集中」という戦略は効果的だと考えれます。

GEは、恐らく①から④の条件が全て揃っていたのでは無いかと推測します。

 

オムライス屋さんは、オムライス屋さんに執着する必要はない

 

しかし、①から④の条件が揃っていない場合、本当に「選択と集中」が良い戦略といえるでしょうか。

先ほどのオムライス屋さんの例に戻ると、もし、自分では美味しいと思っていたオムライスだが、実は立地が良いだけで競争優位性が無かったらオムライスに集中した時点でリスクが大きいかもしれません。ある芸能人をキッカケにヨガのトレンドが世界的に一気に拡大することもあるかもしれませんし、事業として粗利率が高くヨガ教室の方が利益が上がるかもしれません。

つまり、①から④の条件次第で「選択と集中」が適切な戦略かどうか変わってきます。

オムライス屋さんの例に戻ると、

出店に費用がかかるとしても、

もし他に儲からない事業をやっていないなら、

もし自社のオムライスに競争優位性がないなら、

もしまだまだシェアが少ないなら、

オムライス屋さんは、必ずしもオムライス屋さんに執着する必要はないケースも多いと言えます。

 

ネットを使っての事業の場合はどうでしょうか。

今やサイトを作る費用はほとんどかかりません。以前は数千万円かかったデータベースを使ったシステムもクラウド型で数百万円、数十万円で作れる時代です。

つまり、インターネット時代の現在は、新規事業にかかる費用は飲食店を始める事業に比べて圧倒的に少額でスタートできるようになったのです。

 

集中する分だけリスクが増える

 

ネットが活用できる事業の場合、「戦略と集中」が適切な戦略となる条件である、

①インフラ型事業である

という条件が当てはまらないことが多々あります。

(飲食店やメーカーでの起業は、①にあてはまります)

しかも、起業したての場合、

②儲からない事業を既にたくさん行っている

ことは無いでしょうし、
③コアコンピタンス(得意技)が輝いている

起業もそんなに多くは無いでしょう。

④圧倒的なシェアを持っている

起業家は、むしろ発明家と言えるでしょう(笑)。

すると、起業したての場合のほとんどは「選択と集中」に当てはまりにくいことになります。

つまり、集中するだけリスクが増えます。

お金も知識も無いのに、競馬で一点買いしているようなものです。

だから、個人事業主、少人数の零細起業は集中しないで分散すべきだと思います。つまり、「選択と分散」が重要ではないかと思うわけです。(ながくなってしまったので次につづく)

 

About alex

サイトの管理人でありライターのアレックスAlexといいます。日本人です。 経営コンサルタントであり、 WEB関連の起業家であり、 インキュベーターであり、 良き夫でもあります(笑) 現役で顧問先を複数持ち、数社の社外取締役も行っており、思ったことを記事に書きやすくするため実名ではなく、アレックスを名乗りサイトを運営しています。 結構な長い期間、コンサルティング会社に勤め、コンサルタントとしてそれなりの結果を出しました。しかし、自ら起業してみて数年が経つと学んだことがたくさんありました。 いわゆる理論と実践の違いです。 うすうす気づいてはいましたが、コンサルティングのご支援で成果の出る場合、クライアントさんがそもそも優れている場合が圧倒的に多いと感じていました。 そして、学歴の高くない叩き上げの経営者が、圧倒的な収益性を誇る企業を作っていたりします。つまり、ノウハウや理論以外に事業の成否を分ける何かがあるわけです。 確かに、理論やノウハウは今やアマゾンでクリックしたら翌日には書籍が届くし、ネットでググればいくらでも知ることができる世の中です。 しかし、現実には事業が上手く人もいれば、行かない人もいます。このサイトでは、元コンサルタント起業家が起業家のために、ありそうでなかった実践ノウハウを綴れればと思っています。

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