商品開発とは
改まって商品開発と言われると、具体的に何をして良いかイメージがつきにくい起業家も多いでしょう。商品開発とは平たく言うと、「売るものをつくる」ということです。
売るものがなければ事業になりません。
起業家にとって商品開発とは実はかなり重要な仕事になりますが、なんとなく売るものを決めてしまっている方もいるかもしれません。
利益が確保できるかどうかの重要なキーにもなりますので、しっかりと緻密に商品開発を進めましょう。
商品開発の基本的なステップ
商品開発とはいくつかのステップから成り立ちます。最終的には企画書や提案書の形にまとまりますすが下記のプロセスを経ることで、想定されうる失敗を予防したり、ベターな売り方にもつながってきますので参考ください。
ここでは、WEB制作会社(A社)で起業した場合を想定して商品開発の基礎を紹介します。
①コンセプト設計
②調査
③ターゲットの設定
④仕様決め
⑤価格決め
①コンセプト設計
いわゆるアイディア出しです。自分が得意なことはなんだろう、今後の成長するマーケットはどこだろうなど考えてアイディアを出します。
WEB制作会社であるA社の場合は、歯が悪く色々な歯医者を探して通った経験から、「歯科医向けに特化したのホームページ制作」を商品化しようと決めました。
②調査
アイディアが出たら、調査をします。主にマーケットと競合について調査します。A社の場合は、マーケットについては、歯科医はどのくらいあるのか、増えているのか、ホームページをどのくらい持っているのか、誰にホームページ制作を頼んでいるのかなど。競合については、同じようなアイディアを考えている業者はあるのか、どんな機能がついているのか、価格は、など。
インターネットである程度は調べられるはずです。
③ターゲットの設定
ここで改めてターゲットを明確にします。「ペルソナを設定する」とも言います。なるべく鮮明にイメージでるまで設定することで企画や売り方を検討する際にしやすくなります。
A社の場合、歯科医向け専門のホームページ制作業者が2社見つかりガックリしましたが共に関西の会社だったので、地域密着で差別化する意味で東京都内限定の歯科医をターゲットにすることを決めました。
④仕様決め
仕様決めとは、商品の内容を決めることです。どこまで商品に含まれているのか、どこからオプションなのか、など。仕様をしっかりと決めないと、お客様に説明をできないだけでなく、価格設定も間違える要因にもなります。
また、ターゲットが求めていることが本当に含まれているのか、不要なものが含まれていないのか入念に決める必要があります。
A社の場合、歯科のホームページ制作に加えて、予約機能とブログ機能、そしてキャンセル防止のためのメール送付機能を標準機能としてつけました。顧客のデータベースを扱っている競合もありましたが、開発費もかさむため機能としてはつけないことを決めました。また、他社はまだまだデザイン性が低いので、デザイン性が高いことにもこだわりました。
⑤価格決め
事業の成否を分けると言っても良いくらい大事なことが価格設定になります。価格設定次第で売れるどうかも変化しますし、利益が出るかどうかも大きく変わりますので非常に重要です。
競合他社との比較、原価と利益率、事業全体のビジネスモデル、から価格を設定します。
A社の場合、ホームページのひな形を作成するとことで原価を下げ、初期費用を抑えるとともに、月々の運営管理費を多めに設定することを決めました。
いかがでしたでしょう。
商品開発のステップをイメージできましたか。自社の商品の場合を考えてみましょう。
商品開発の注意点
商品開発における失敗パターンは、上記の①から⑤の検討が十分でないことに起因します。
アイディアが陳腐、マーケットと競合をよく知らない、ターゲットが不鮮明、商品内容(仕様)がミスマッチ、価格があっていないなど。
売り方を考えることも重要ですが、売り方以上に自社の商品は何か?について一度考えてみることをおすすめします。