『あと何ヶ月会社はもちますか?』
物騒な質問ですが、個人事業主にとっても法人経営者にとっても
『事業が立ち行かなくなる日』を予測しておくこと
は実は大事なことです。
言い換えると、『すでに約束されている受注だけで、後何ヶ月資金が続くか?』ということです。
事例を通してさらに分かりやすく考えるてみると、あるWEB制作会社は月々100万円経費の支払いがあります。今受注済みのサイト制作4本で約束された4ヶ月間の入金は400万円。つまり、すでに受注済みの仕事だけで4ヶ月経費をまかなえます。しかし、5ヶ月目までに新しい仕事を取らないと、経費をまかなう資金が不足することになります。
『あと何ヶ月会社はもちますか?』は起業家の最大の関心事であり、難しいことではありませんが、即答できる人は少ない印象を持っています。
すでに資金的な不安の無い企業ならまだしも、起業したての経営者は常に毎月の支払いと入金は頭に入れておきたいところです。
絶対潰れない無敵の会社をつくる会社
無敵っていい響きですね。
事業に絶対はありませんが、毎月出て行くお金より入ってくるお金が多ければ事業は存続し続けます。ある意味無敵です。
そのための実践的なコツを以下では紹介していきます。個人事業主でも大企業でも原則は同様です。潰れない会社をつくるために是非抑えておきましょう。
①受注残が経費何ヶ月分か常に把握する
記載した通りですが、最初に上げておきます。
具体的には、下記の通り計算します。
事業生存月数 = 契約済み粗利 ÷ 月々の経費
起業したては、事業生存月数が1ヶ月を切るかもしれませんし、ほぼ1ヶ月、つまり自転車操業に近い形かもしれませんが、経費の6ヶ月以上契約済みの粗利があると先のことを考えやすくなります。
②将来の売上が確定しやすい商品を持つ
毎月毎月、営業して仕事を取り続ける必要がある商品の場合、いつまで経っても①事業生存月数は増えずに自転車操業になりがちです。いわゆる、「今月は受注がとれた!とれなかった!」と一喜一憂を繰り返す感じです。
将来の売上が確定しやすい商品とは、会員費や利用料、管理費、顧問料など毎月定額のものが多いです。逆に企画、設計、制作など業務委託系は単発毎の契約が多いでしょう。
インターネットが普及し、ASPやらクラウドやら言われ出して月額課金型の事業がしやすくなったと思われます。あたふたしないように、少しづつでも積み上がり将来の売上が確定しやすい商品を考えてみましょう。
③固定費を増やさない
当たり前ですが、短期間で事業が無くなる(亡くなる)多くは最初から固定費先行しているケースが多いように感じます。
固定費とは、『毎月確実に支払いが発生する費用』のことです。例えば、家賃や人件費が代表的な固定費でしょう。コピー機のリース代やローンで払っている自動車も、毎月確定した支払いという意味では固定費になります。
固定費を増やさないコツとして、1年で総額いくらになるか、3年でいくらになるかを計算することが大事です。
月2万円のコピー機は、1年で24万円、3年で72万円の確定した費用になりえます。20万円のスタッフは1年で240万円、3年で720万円の出費です。人は”月々の支払い”になると感覚が麻痺する傾向があるようです。
空気を吸って吐いているいるだけで出て行くお金を自覚しておきましょう。
④営業力・営業構造を磨く
営業力とは、仕事を取ってくる力。営業構造とは仕事が(勝手に)取れる構造のこと。
営業力や営業構造が無いと、なかなか不安な日々から逃れることができません。しかし、営業力に自信がある場合、仕事が入ってくる営業構造を持っている場合、不安な日々からおさらばすることができます。
必要な時に仕事をとったらいいだけですから。
良く「営業は自信がない」という人がいます。経営者と営業は切っても切り離せないので観念して営業力をつけ、営業構造をつくることに腹をくくると良いでしょう。
「営業は自信がない」人が立派な営業マンに育つのを目の当たりにしてきたので希望を持ってください(笑)。
以上4つが「無敵事業の作り方」のコツです。
(小心者の筆者も実践中のコツになります。)
事業戦略や組織、投資計画を考えるときに利用してください。
廃業や会社が潰れる恐怖を克服出来たら、「無敵(廃業にならない)』だけでなく、社会的な価値を大きくするための『成長』が一層考えやすくなりますよ。